リラクゼーションサロンを経営していると、日々の業務に追われながらも、長期的な視点を持つことの大切さを痛感します。
売上を伸ばしたい、リピーターを増やしたい、新しいコースを定着させたい——そうした思いで新たな取り組みを始めても、すぐに成果が出るわけではありません。
私自身、これまで何度も試行錯誤を繰り返してきましたが、一つの結論にたどり着きました。それは、「経営において、本当の成果が見えるのは少なくとも6カ月後」ということです。
施策を始めても、すぐには変わらない
例えば、新しい施術メニューを導入したとします。お客様に認知してもらうためにSNSで告知し、キャンペーンを実施し、スタッフにも丁寧に教育をします。
しかし、初月から爆発的に売れることはほぼありません。当店でもアロマヘッドなどの独自メニューを用意していますが、それがお客様に認知していただけるのは時間がかかります。
最初は「こんなメニューがあるんだ」という興味を持ってもらう段階です。
実際に予約して施術を受けてもらい、その体験が良かったと感じてもらえれば、次回の来店に少し興味をもっていただける。そして、お客様が周囲の人に口コミを広めてくれれば、徐々に認知度が高まり、予約数も増えていくなかですこしずつ増えていきます。
このサイクルが軌道に乗るまで、早くても3カ月。安定して効果が出るまでには6カ月以上かかることも珍しくありません。
スタッフの育成も時間がかかる
経営のもう一つの大切な要素が、スタッフの成長です。
例えば、新人スタッフが入社した場合、基本的な技術研修を終えたとしても、最初から完璧な施術ができるわけではありません。お客様と接しながら少しずつ自信をつけ、実際の現場で経験を重ねることで、やっと一人前のセラピストとして成長していきます。
新しい技術を習得し、それをお客様に提供するまでには時間がかかります。さらに、技術だけでなく、接客の質も向上させるには、何百人のお客様への接客・施術経験を積むことが必要です。
また、既存スタッフに新しい施術やメニューを覚えてもらう場合も、ただ研修をしただけでは定着しません。繰り返し練習し、実際にお客様に提供しながら改善を重ねることで、ようやくスムーズに施術できるようになります。
このように、人材育成もまた、短期間では結果が出ないものなのです。
6カ月後を見据えて行動する
「今やっていることが、6カ月後にどのような結果を生むのか?」——この視点を常に持つことが、経営を続けていく上で非常に重要だと感じます。
短期間で結果が出ないと、焦りや不安が生まれることもあります。「この取り組みは本当に意味があるのか?」と疑問に思うこともあるでしょう。しかし、途中で諦めずに粘り強く続けることが大切です。
例えば、リピーターを増やすために「次回予約特典」を導入したとします。最初の1カ月では予約率があまり変わらなくても、続けていくうちにお客様が「このサロンでは次の予約をするとお得なんだ」と意識するようになり、リピート率が上がることがあります。
また、ブログやSNSを使った情報発信も同じです。1回投稿しただけでは効果は出ませんが、半年間継続することで「このサロンの情報は役に立つ」「ここに行ってみたい」と思うお客様が増えていきます。
このブログも3年ぐらい継続しており、すこしずつ認知が高まってきていますが、それでも爆発的に効果が出るかというとそういうものではないです(売り込みを目的とせず、ただたんにつぶやいているだけなのでそれで目的は達成しています)
成果が出るまでの時間をどう過ごすか
6カ月という期間を乗り越えるためには、いくつかのポイントがあります。
- 小さな変化を記録する
目に見える大きな成果が出るまでの間、どんな小さな変化でも記録し、成功を感じられるようにします。自分もそうですが、セラピストが頑張っているのであればそれをつぶさに連絡して教えてあげる。
指名が増えているのであれば、1人先月よりも多くてもしっかりと認めてあげる。 - 柔軟に改善を加える
何もしないで6カ月待つのではなく、状況を見ながら改善を加え、より良い方向に調整していきます。新規メニューで外れたものは外して、うまくいったものは残してということを繰り返します。 - 信念を持って続ける
途中で不安になっても、「この取り組みはきっと意味がある」と信じ、粘り強く続けることが大切です。オーナーは自分がやった施策について、どんな結果になるのかわからないと思いつつ、しっかりと信念をもって続けていくことが大切です。不安な気持ちになることもありますが、なんとかなるさという信念でとにかく続けます。
まとめ
経営は短距離走ではなく、長距離走です。今やっている取り組みの成果がすぐに出なくても、それは失敗ではありません。6カ月後、1年後に振り返ったとき、「あの時頑張って続けていてよかった」と思えるように、これからも粘り強く取り組んでいきます。
そして、6カ月後に成果を感じたら、また次の6カ月を見据えて新しいチャレンジを続けていく——それが経営の面白さでもあり、やりがいでもあるのです。
今日もまた、一歩ずつ、未来の成果を信じて進んでいきます。