ヴィラのオーナーとして働いていると、本当に様々な仕事をすることになります。
経営だけではなく、お客様対応(しかも困った機会のみ)、設備管理、時には備品の再購入や、掃除など、細かな雑務までこなしています。
もちろん経理の業務や人事労務関係の仕事は毎月山のようにやってきます。それをこなしながら時間を割いて将来に必要な人的投資や設備投資をしていく必要があります。
常に時間が足りなくて、そのなかで何をするのか?という優先順位をなんとかつけて動いています。やるべきことは尽きません。
そうやってコツコツ仕事をしていてそのうえで、いい時もあれば悪い時もあります。売上がバーンと増えることもありますが、天気が悪くなったりセラピストが体調を崩したりするとすぐに売上は下がります。
今年の冬はとても寒くてやはりお客様が少ない時期が続きました。
何かあれば売り上げは減る、経費が増えるということがよく起こりますので、3年店舗経営を経験してきた今ではちょっと店舗売上の調子が良いときでも、少し気を抜いた途端に状況は一変し、崩れてしまうものだなあ、なんとまあはかないものよとしみじみ感じています。
経営でいい方向に積み上げていくのは本当に大変ですが、悪い方向に崩れるのは1カ月もあれば十分です。だからこそ、いい時こそ気を引き締めることが大切だと感じています。
ヴィラのシステムにのってちゃんと仕事をしていればある程度利益は出てきますので、利益が出たら「少しは自分にご褒美を…」と考えることもあるかもしれません。
でも、私の場合、いろいろ経験してきたことで、そういう気持ちよりも「調子に乗ったらすぐに悪い状況になってしまうのではないか?」という恐れの方が先に浮かびます。マジで小心者です。
せっかく苦労して築いたものが、一瞬の油断で崩れてしまうかもしれない。来月急に季節外の寒さになったり、天変地異が起こったり、セラピストが辞めてしまうのかもしれない。
それでも払うものは払わないといけない、払えなかったらお店は続けられない。
そんな思いが常に頭の片隅にあるのです。もったいないというよりも、あとで何があるかわからないからあまり使う気にならないという感じでしょうか。
従業員の感覚だと、一度得たお金が予想外に減少することはないので、バーッと使うということもありだとおもいますが、経営の立場だと予想外にお金が何十万単位で出ていくことはよくあるので、全く気が抜けません。
経営者の財布は底が抜けたバケツのようなものです。
水が入ってくる量は従業員よりも多いですが、そこに大きな穴が開いているのでザーッと常に水が出ていっているのです。
本音を言えば、一度くらいは思いっきり調子に乗ってみたい。でも、どうやら私はそういうタイプではなさそうです。
常に慎重に、謙虚に、地道に進んでいくしかないのでしょう。
経営を続けていると、自分が試されることの連続ですから、偉そうにする暇がありません。挑戦し続ける限り、驕ることなく、真摯に当たり前のことを続けていく。経営をやめるその時までずっとこの気持ちでしょう。
ただ、そんな姿勢こそが、長く続けていくために必要なのかもしれません。
今日もまた、一歩ずつ進んでいきます。