未分類

セラピストの善意に甘えない

リラクゼーションサロンの運営では、スタッフ一人ひとりの善意に支えられている部分が少なからずあります。
「気を利かせて動いてくれる」「困っている人を自然に助けてくれる」「細かいことを率先してしてくれる」——そんなセラピストの姿を見ると本当にありがたく、頼もしく感じます。

ですが、オーナーとしてその善意に甘えてはいけないと常に自戒しています。セラピストの善意に頼った経営をしていると、どこかで痛い目を見ます。ルールにもとづいて、できるだけ公平な運用を心がけています。

善意ではなく、ルールで動く仕組みを

サロンの仕事には、「言わなくてもやってくれる人」がいる一方で、「言わないと動けない人」もいます。
善意に頼っている限り、仕事の品質やスピードは人によってばらつきが出てしまいます。

そして、善意で運営している組織で、善意でやってくれる人がいなくなったら、、もちろんこれまでやってくれなかった人も動いてくれるかもしれませんが、事務レベルは下がるかもしれません。

人によってサービスにばらつきがあるよりも、だれでも70点の仕事をしてほしいのです。仕事として依頼することは、できるだけルール化したいです。

タオルのたたみ方、備品の補充方法、シフト表の更新手順、SNSの投稿ルール――どんなに小さなことでも、「こうしてほしい」を言葉と形にして残すことです。あまりにも今それができていないことに気が付いて、反省しているところです。

それが、サロン全体を安定して運営するための第一歩です。

現場にいないからこそ「細かく伝える」

特に私のようにオーナーが現場から離れている場合、スタッフへの依頼はさらに難しくなります。

なかなか行くことができないという事情もあり、最近は私は現場にあまり行かずに、どうやったら私なしでもうまくいくかどうかを確かめています。

現場にいれば、直接声をかけて伝えられる。けれど、離れている場合はそうはいきません。
だからこそ、どれだけ細かく仕事の内容を伝えられるかが鍵になります。

そのためには、マニュアルの作り込みが欠かせません。
・どんな時に、誰が、何を、どの順で、どうやってやるのか
・写真付きでわかりやすくする
・曖昧な表現を避け、行動レベルで具体化する

この地道な積み重ねが、サロンを安定的に回す力になります。

作ってみるとわかるのですが、マニュアル作りには途方もない労力が必要です。リストアップしてみたらこんなにマニュアル作らないといけないのか、という感じです。

でも、言わなくてもわかるだろうはオーナーとして禁止用語です。

自分がいないと回らない、自分がやったほうが早いという形で全部自分に跳ね返ってきます。

書いたとしても全部できるかどうかはわかりません。いや、マニュアルに必要なことが仮に全部書いてあったとしても、それを見て仕事ができるようになるには時間がかかります。

それでも、都度口で説明すると、ルールの解釈が人によって異なりますので、できるところは文書化したほうがいいです。

マニュアル作りはすべての業種に通じる

マニュアル作りは正直、時間も手間もかかります。
でも、それをやり切った経験は、必ず経営者としての力になります。
これはリラクゼーション業界に限らず、すべての業種に通じることです。

やり切れば、仕組みで人が動くようになり、オーナーが現場を離れてもサロンは回り続けます。

作るだけでは終わりではない

もちろん、作っただけでは意味がありません。
定期的に確認する時間をつくり、スタッフと一緒にマニュアルを見直していくこと。
その過程で、現場の声が反映され、より実践的で血の通った使いやすいマニュアルの内容へと磨かれていきます。

オーナーの仕事は、「人に頼らず仕組みで動く環境を整えること」
セラピストの善意に感謝しながらも、それに依存しない運営を目指して、今日も一歩ずつ整えていきたいと思います。

予約サイト