「伝えたつもり」では現場は動かない
最近、業務を指示する場面で「伝えたつもりになっていた」自分に気づき、反省することが増えています。
たとえば「Instagram用に動画を撮っておいて」と依頼しても、実際にはうまく伝わっておらず実行されないことがある。これは、誰が・いつ・どの水準で・何をするのかという具体的な条件を示さず、曖昧なまま依頼していたためです。
現場が確実に動くためには、仕事内容を細かく分解し、担当者・手順・量・報告方法まで明確に示す必要があります。
また、その作業が何のために必要なのか、目的や背景を理解してもらわなければ、単なる作業指示では動きません。「思っていることの1/10しか伝わっていない」という前提に気づきました。
できる人基準で指示をだすからうまくいかない
曖昧な指示でも動ける人がいる一方、できない人もいます。
動ける人を基準に指示を出してしまうと、ほかのスタッフに任せたときに「なぜできないのか」と落胆しがちですが、それはスタッフの能力の問題ではなく、オーナーである自分の指示が不十分なだけ。
誰でもできるようにしておけばいいのです。
だからこそ、「誰でもできるように誤解のないレベルでマニュアル化する」ことが大切だと感じています。担当を明確にし、作業の標準を言語化しておくことで、属人的な仕事を減らし、安定した運営につながります。
外注化・仕組み化が教えてくれる指示の甘さ
また、スタッフだけではなく、外注化を進めるほど、自分の中の曖昧さが浮き彫りになり、仕事の手順を言語化する必要に迫られます。
これまで感覚でやっていた部分をすべて明文化し、例外の扱いまで含めて公平で一貫したルールを整えなければ、組織全体は動きません。
スタッフよりも業務のことがわからない外部の人に依頼するということは、「誰が読んでも同じ行動ができるレベル」で指示することを求められるということ。これは、サロン全体の基準を整える大切なプロセスだと感じています。
フランチャイズのマニュアルをさらに現場で落とし込む
さらに最近では、フランチャイズという“もともとマニュアル化されたビジネスモデル”に対して、オーナー側でもう一段深くマニュアルとして落とし込むことが必要だと感じています。施術以外の部分については、ほとんどすべてを明文化し、決めてしまう形でも良いのではないかと考えるようになりました。
フランチャイズの基準 + オーナー独自の基準、この二つを重ねることで、より誤解なく再現性の高い運営ができると感じています。マニュアルを作るのは大変です。でも、それを作ることなくして、安定的な店舗経営は難しいです。
4. 明確な言語化こそ、組織が自走する土台
スタッフが動けないのは「理解していないから」ではなく、「理解できるように伝えられていないから」。オーナーとして、誰が見ても同じ行動ができるレベルまで、作業手順・目的・水準を示す責任があります。
「これ以上ないほど明確な指示」を徹底することで、現場が自走し、オーナーの負担が軽くなり、結果としてサロン全体がより安定した運営へと進んでいく――その重要性を改めて感じています。
短期的には手間がかかりますが、これが徹底できるかどうか。私の力量が試されています。
