リラクゼーションサロンの経営をしていて頭を悩ませるのは求人です。集客については、やり方がある程度決まっていて、オーガニックなSEO対策に加えて広告宣伝費を投下していけばある程度の売り上げは見込めます。
ヴィラのビジネスの場合には金額的にもリーズナブルなのでどうやったらお客様の目に入るか、覚えていただけるかが大切でそこからは掛け算の世界です。
それに加えて積み上げ式ですから、時間がたつごとに次第にお客様の数は増えていきます。もちろんサービスレベルが下がっていけばお客様は離れていってしまいますけれども、サービスのレベルを維持していけばそこまで大きく売上が下がることはありません。
ただし、セラピストがいれば、の話です。むしろ求人のほうが大変なのです。
この業態は人がいないと何も始まらないので、とにかくどうやってセラピストに働いてもらうか?がポイントになってきます。
一般に求人というと、広告媒体に求人を出すことと考えがちですが、それは求人の一部分でしかありません。求人は育成や良好な職場環境と密接にかかわっており、一見求人とは関係ないような部分にまで気を配らないと効果が出ません。
どんなにいいことを言っても、入社の時と働いてみたら約束が違っていた、とかお客様が少なくて全然稼げないとか、サービス残業が多いとかそういう話が出てくれば出てくるほど、セラピストはやめていきます。
どんなに求人活動にお金をつかっても、人が辞めてしまっては穴が開いたバケツです。その穴をまずはふさぐ。これを意識するところから始まります。つまり、クリーンな職場環境をつくったうえで、今いるスタッフをしっかりと育てていくということです。
求人は新しい人の募集を追いかけてしまいますが、それも既存のスタッフが頑張ってくれているからこそあと一人、と求人活動を続けることができるのです。意識は常に既存スタッフに8割、新規は2割くらいの気持ちで、とにかく今働いている人のケアをしていくこと。
そのためには、現状の不満をなるべく早く解決していくことです。
例えば平和島店では最近洗濯機が壊れてしまいました。業務用でフル稼働しているのでしかたがないですが、この故障も1日で修理したことでスタッフの負担を減らすことができました。
また、河内松原駅前店では、草が生え続けているので除草剤をまいたり、新人の研修スケジュールをきめ細やかに組んだり、足りなかったタオルウォーマーを追加発注するなど細かい仕事をこなしています。
その傍らで予約状況をチェックして個々のお客様の施術に対して必要な指示もだしています。
本当に細かい仕事が多いのですが、それを積み重ねていくことでしかスタッフの定着はないのです。
私もいろいろと失敗をしてきましたので、うまくいかない時ほど今の足元を固める機会と考えています。経営で完全に足元が固まりきることはありませんが、私が預かっている2店舗は今はしっかり足場固めの時期です。
人が育って定着していて、初めて新規のセラピストを増やしていくという土壌ができるわけです。いい土壌が育っていれば、その中に新人が入れば自然とスクスク成長していきます。
最近のセラピスト採用事情は厳しく、なかなかいい人が採用できないなあとオーナーの誰もが思っているはずです。
そんな時こそ足元固めです。正しい行動をしていればいつかは応募があります。その時にスタッフにすべて任せておけば人が育つというくらいに環境を作っておけるかどうか。
応募してくれた人を捕まえるチャンスは1~2日しかありません。そのチャンスを活かすための準備(育成環境、クリーンな職場環境を作ること)は1年単位でする必要があるのです。