オーナーのつぶやき

攻めと守りのバランス

経営をつづけていくというのは、先に進むか、戻っていくかの2者択一です。

現状のままというのも、下がり続けるエスタレーターを上り続けるようなものですから、先に進んでいるのと同じです。

お店のスタッフが充実してきて、お客様も沢山ご来店され、投資資金を回収する段階になると、オーナーとしては次の店舗を出店したくなります。

一つの店舗で儲かったのだから次の店舗を出店したいという気持ちになるのも当然です。

リラクゼーションサロンのオーナー業を儲けるためにやっていないといえばそれはきれいごとに過ぎるでしょう。働いてくれるセラピストだって人を癒したいという気持ちはありますが、お金を稼ぎたいという気持ちもあります。

一方で、毎月発生する何らかのイベントをこなしながら、予期せぬ出費などを払って涼しい顔をして(ここに書いている時点で涼しくないかもしれませんが)、お客様に安定したサービスを提供する、セラピストの給料・社会保険や各種税金を払い続けていくことにも一定の労力がいります。

また、セラピストの人生を巻き込んでお店を開店していますので、数あるサロンから思い切って当店を選んでくれた彼らが安定して働けるように財務基盤を強化して、私の力続く限りお店をしっかり守って長く愛される店舗にしたいなという気持ちもあります。

ということで、店舗を続けられなくなる=ゲームオーバーにならないかぎりは、積極的に出店していく攻めの姿勢、それともじっくりと足場を固めていくかという守りの姿勢、どちらかを問われます。

どちらも選ばないという選択はなく、複数店舗を出店せず1店舗を運営していればその店舗にリソースをつぎ込んで守りの経営を進めていくということになります。

正解はないので、迷ったときには自分がどのような想いで開業したのか、原点に立ち返って考えるようにしています。

経営理念なんて偉そうなものではないですが、アジアンテイスト風の落ち着けるリラクゼーションサロンを作り、居心地のいい空間を作りたいという気持ちが私の店舗開業の原点です。

また、経営を続けていくうち店舗の運営はスタッフの頑張り次第ということを痛感するようになりました。今では、オーナーとして人が成長できる環境を用意し、当店で働いてくれるセラピストが独り立ちできるよう、育成をしていくという気持ちがあります。

そうやって考えていくと、もう少しスタッフが成長してくれるのを待ち、そして私自身がもっと成長していないと、店舗拡大は時期尚早かなと思います。

私は守りよりの経営なんですね。

私が儲けたいという気持ちが先行しすぎて無理に出店して今のお店を守れない、スタッフの生活を守れなくなってしまうのは本望ではありません。居心地の空間を作っていくという原点から外れているからです。

といってもいつかは店舗を新しく出すことも胸に秘めてはいます。セラピストの活躍の場所を作ることにもつながるからです。潜在的に当店を利用したいお客様はたくさんいるはずで、そうした声にこたえるには出店しかないからです。

そのタイミングはいつか?

熟した果実が自然と木から落ちるように、いずれそのタイミングがわかるときがやってくるのでしょう。今はもっと店舗の力、スタッフの力を上げていく時期です。

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