今日は、経営をしていてつくづく感じる「気分や感情で仕事をしないことの大切さ」についてお話ししたいと思います。
お店を経営していると、毎日いろいろなことが起こります。
プライベートでも、もちろん問題は起きますし、店舗に関してもスタッフの急な欠勤やお客様からのクレーム、予想外の支出など、挙げればきりがありません。特に私たちのように「人」が中心のサービス業では、感情が揺さぶられる場面が本当に多いと感じます。
そんな時に改めて思い出すのが、「得意淡然 失意泰然」という言葉です。
良い時こそ浮かれず淡々と、逆に悪い時も慌てず冷静にいることが大事だ、という意味ですね。これ、言葉にするのはとても簡単なんですが、実際にやろうとするとものすごく難しい。特に私のような経営者は、どうしても感情が前に出てしまうことがあるので、意識していてもブレそうになる瞬間があります。
でも、ビジネスは感情では回りません。どんなに悔しくても、悲しくても、嬉しくても、最終的に求められるのは「結果」です。
そして現実的な話をすれば、ほとんどの問題はお金で解決できるのがビジネスの世界です。スタッフが急に辞めても新しい人を募集できますし、売上が落ちても広告を強化したり、新しい施策を打ったりできる。つまり、何をするにも結局は「資金」が必要になります。
そう考えると、ビジネスを続ける上で一番大事なのは、手元資金をしっかり確保しておくことなんだと改めて実感します。どんなに計画的に進めていても、予期せぬ出費やトラブルは必ず起こるもの。だからこそ、「資金力」が最後の砦になるのです。
ビジネスは、当たり前のことを当たり前に続けていけば、基本的には少しずつ成長していきます。サロンであれば、質の高い施術を提供し、清潔な環境を維持し、スタッフとしっかり向き合い、顧客の声に耳を傾ける――これを愚直に続けていけば、必ず信用が積み重なり、売上も伸びていきます。
しかし、ここで落とし穴になるのが「スピード感」です。もっと早く成長させたい、もっと大きくしたいと思う気持ちは経営者ならだれでも思うところです。特にビジネスが立ち上がりうまくいきだしたら、サラリーマンと違って収入がどんどん増えますので、かくだいしたくなります。
いわば、喉が渇くような感覚です。
ただ、その気持ちに流されて無理な投資や急激な拡大をしてしまうと、資金繰りが厳しくなり、あっという間に経営が立ち行かなくなることがあります。私自身も何度もこの「誘惑」に駆られてきました。ですが、手持ち資金とのバランスをしっかり見極めることが大切だと感じています。
身もふたもない話ですが、お金がなくなったときの辛さ、そして精神的な追い込まれ方は、本当に言葉では表せないものがあります。
経営者としてその苦しみを経験したことがある方も少なくないのではないでしょうか。私自身、過去に「もうだめかもしれない」と思ったことが何度かあり、その時のストレスは今思い出しても冷や汗が出るほどです。
だからこそ、今は常に「いざという時の備え」を意識して経営しています。感情に流されず、地道にコツコツと。店舗経営は華やかに見えることもありますが、実際はこの積み重ねの連続です。
お店を長く続けていくためにも、「気分で動かない」「資金管理を徹底する」という、この2つは何よりも大事なポイントだと改めて感じています。これからも、冷静に、着実に経営を続けていけるよう努力していきますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。