求人活動はリラクゼーションサロンで大切な業務です。セラピストさんがいないと仕事ができませんので、まずはセラピストをどうやって募集し、集めるか?がポイントになります。
求人はマーケティングスキルをまず鍛える
求人は人のツテで採用できることもありますし、ありがたいです。
でも、募集すれば必ず来るマーケットに広告を出したほうが早いし、そのスキルを磨いたほうが再現性があります。たくさんの人がすでに利用していて成果が出ているものをよりうまく使う、というほうが楽です。
大きい会社になれば、予算をかけるというのは当たり前のことですが、小さいサロンでも人を採用しようと思えば、広告予算をかけて継続的に運用していく必要があります。
広告を運用する際に求められるのはマーケティングスキルです。
人が集まっているところに広告を出すことにより、より多くの人の目に触れ、今あるサービスをいかに魅力的に見せるかという能力が問われます。
例えば、求人原稿の文章一つとっても、どうやったらターゲットとなる求職者に刺さるのか。どんなサロンであるか、明確にしているか。
そもそも求人の対象は絞り込んでいるかなどが問われます。
私は最初に合わない人は来てもらってもミスマッチになると考えているので、結構厚めに文章を書くタイプです。ですから、その文章を最後までよんでくる人しか応募がありません。
副作用として、あまり長い文章を好まない20代前半の若い人はその時点で採用できません。
仮に20代をもっと採用しようと思ったら、同世代が楽しく働いているというイメージを打ち出す必要があります。instagramなどで和気あいあいの雰囲気を強く打ち出すことが大切です。Tiktokで踊ってみた♪動画も若い人には刺さるでしょう。
私の場合はあえてそれはやらない、という選択をしています。
当店の場合は、求職者からするとこの店舗で働くと何が得られるのか?という観点で職探しをしている人、条件に合致する働き方をしたい人を対象にしています。
強みとしては、しっかりとした研修をする、ルールを守るということです。
対象者とアピールポイントを明確に書いていると、その点に引かれる人がきます。
この点をもう一度意識して原稿をかきなおして2か月程度。応募がようやく増えてきました。このうち何人かは働いてくれるのではないかと期待しています。
募集が来たら営業力が問われる
応募があり面接が決まったら、今度は営業的なセンスが求められます。
セラピスト応募者から見て、当店はどんな商品・サービスを提供できる店舗なのかという視点で話をします。
こうしてほしい、ああしてほしい、働いて給料を支払う立場からするといろいろとお話したくなりますが、相手から見てどのようなメリットがあるのかという視点で話すよう心がけています。
サロンのセラピストはお客様です。
丁寧に応対しつつ、自店舗のアピールをして、取引条件(勤務条件)を提示します。この段階ですり合わせができていないと入社してこんなはずじゃなかったという話になりますので、この点のすりあわせは必要です。
仕事を探している人も雇う側も、お互いはやく仕事を一緒にしたいという気持ちで焦りがちですけれど、ここだけは外さないというポイントだけはおさえてお話しするようにしています。
こちらのオファーに納得していただけたら、晴れて入社です。
全く異なるスキルセット:労務管理
求人活動の難しいところはここからです。求人で惹きつけて入社してもらってもそこから先は全く異なるスキルセットが求められます。
先ほど求人はマーケティング・営業的センスが求められるという話をしましたが、入社後は、ルールを守り、スタッフの勤怠管理・各種社会保険手続・研修計画の策定・研修進捗の管理など総務系の管理職者としての役割が強く求められるようになります。
いいことを言っても、それが実際にできていなければ意味がありません。理想と現実があまりにも違うと、セラピストもすぐにやめてしまいます。
入社後は個別対応
採用活動はある程度幅広いターゲットを相手にしていますが、そのあとに続く研修・育成は個別対応の仕事です。
研修だけではなくて、細かい仕事もセットで個別対応でこなすことでようやく研修がすすんでいきます。同時並行で既存のスタッフの労務管理も続きます。
時間も費用もかかるものですけれど、きっちりこなすことでスタッフが定着してくれるようになります。難しいですけれど、これも頑張りどころです。慣れてくればアウトソーシングできる部分ですが、最初は覚えておいたほうがいいです。
ステージ毎に異なるスキルが要求されます
オーナーは採用において、ステージ毎に全く異なる役割をこなすことになります。
大きな組織で有れば、マーケティングや営業、人事は役割が分化されていますけれども、小さい組織であればオーナーがすべてを担って作業をしているのです。一人二役、三役というイメージです。
これが採用の難しいところです。同じ人を相手にしているのに、異なる接し方をしていくことになります。
バランスが悪いと人が増えない
3年間の経験で痛感しているのは、どの能力が足りなくても、スタッフが充実したサロンになりません。
求人は得意だけど、育成が苦手。求人は苦手だけど、育成は得意。
ほとんどのオーナーさんはそうではないかと思います(両方苦手な人はスタッフがいなくなくり、店舗経営にすぐにいきづまるのでどちらかは得意な方がほとんどです)。
私はどちらかというと育成の方が得意ですが、求人についても間口を広げてより多くの応募者に当店のことを見つけてもらおうと日々レベルアップしています。
すべてがとびぬけているよりも60点で
といいつつも、採用・育成プロセスのどこかでオーナーのスキルセットに大きな弱点があることのほうがセラピストからみて魅力がないサロンになります。
全く求人を出していなければ、どんなに素晴らしい育成プログラムを持っていても、活かしきることはできないでしょう。
ですから、すべてにおいて平均点+α、60点を取るということを目指しています。慣れてくれば70点、80点になっていきます。
ですが、他店舗展開をすればするほど、自分ではなく他人に仕事をしてもらうことが増えますので、店舗を増やしていくのであればあえて60点でまとめるというのも考えです。
オーナーのように仕事をいつでもどこでもすることをスタッフに求めてはいけないからです。