リラクゼーションサロンを経営していると、「接客をどう標準化するか?」という課題に必ず直面します。
飲食や小売業のようにマニュアルを徹底して、誰が対応しても同じ体験を提供するという考え方もあります。
しかし私は、リラクゼーション業界においてはマニュアル一辺倒では限界があると感じています。
個性を活かすからこそ伝わるサービス
セラピストにはそれぞれ個性があります。
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丁寧で落ち着いた対応をする人
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親しみやすく会話を盛り上げる人
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必要以上に話さず静かに寄り添う人
タイプは違っても共通して大切なのは「お客様を想って施術をすること」です。
その気持ちさえあれば、お客様には必ず伝わりますし、リピーターにもつながっていきます。
マニュアルで徹底すべきは「仕事のルール」
一方で、何でも自由にしていいわけではありません。
衛生管理、施術の安全性、守秘義務など「絶対に守らなければいけないこと」はマニュアルで統一すべきです。
これはサロンの信頼を守るための基盤になります。
一方で、何でも自由にしていいわけではありません。
リラクゼーションサロンにおいては、絶対に守らなければいけないことがあります。こうした部分はマニュアルで統一して徹底すべきです。
衛生管理
例:施術ごとに必ずタオル・シーツを交換する、使用後の備品はアルコールで消毒する、手洗いを徹底する
施術の安全性
例:お客様の体調確認(持病・怪我・妊娠など)を必ず行い、無理な強揉みや危険な体勢を避ける。力加減の確認は必ず複数回、施術中に行う。
守秘義務
例:お客様の個人情報や施術内容を第三者に話さない。
情報更新
店舗の空き情報を更新し、電話とネットでダブルブッキングが起こらないようにする。
これらはお客様の信頼を守るための最低限のルールです。
どのセラピストが対応しても、同じレベルで徹底されていなければなりません。
接客はガイドラインで方向性を示す
ですが、接客の部分は「こうしなければならない」と縛るのではなく、ガイドラインとして示す方が有効です。
先ほどお話した通り、丁寧な接客、元気な接客、物静かな接客。いろいろなタイプがあります。
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「こんな考え方もある」
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「お客様はこう感じるかもしれない」
といった視点を共有することで、セラピストが自分の頭で考えながら接客できるようになります。いままでの私はまかせていましたが、多分こういう考えについてどう思う?という問を発する機会が少なかったように思います。
私が答えを押し付けたいのではないのです。自分なりに考えるヒントを私は与えてきたのだろうか、そしてセラピストが成長する機会を提供してきたのだろうかと思うからです。
接客に答えはありません。だからこそ、一人ひとりが考えて工夫する姿勢が必要だと思います。
考えて動ける人材が育つサロンへ
「マニュアル=最低限のルール」「ガイドライン=考えるきっかけ」
この二つを使い分けることで、スタッフは型にはまることなく、自分の個性を活かして接客できるようになります。
経営者としては、そこから生まれる多様性こそがサロンの魅力であり強みになると実感しています。ヴィラのいいところはこの自由さを許容してくれているところです。
結局のところ、お客様にとって価値があるのは「人の温度が感じられるサービス」なのですから、セラピスト一人一人のよさをいかしてもらい成長していってほしいです。
