オーナーのつぶやき

オーナーになるとマネジメントが体得できる

サラリーマンをやっていると、順調にいけば30代半ばから次第に管理職に昇格していきます。日本の会社の中間管理職は、昇格すると残業代が出なくなります。

これは大人の事情でそうなっているとしか言いようがないのですが、とにかく残業代が出ません。

さて、仕事は増えて給料は増えないという悲哀たっぷりの中間管理職ですが、大体の会社では昇格した人に対して新人管理職者研修なる研修の機会があります。管理職として、どのような点に注意して部下に接していくか、評価していくかという研修です。

管理職の仕事は定期的な人事考課で部下の評点をつけるということが主な仕事になります。

そして、人事考課をつけるのはあくまで手段でしかない。本来は部下のたりないところを伸ばしていき、人材を育てるための手段なんですよ、ということを何度も伝えられます。

とはいえ、人を評価するということだけでも難しくて、これまで評価なぞしてこないで上司の文句ばっかり言っていた人が管理職に昇格していきなりまともな評価ができるようになるかと言えば、そんなことはできません。

おまけに日々の仕事が忙しすぎて、人を育てる余裕なんてありません。

いそがしくて、いま述べたような管理職としての職責を果たすことができないと感じていても、そんななっていないマインドを先に封じるがごとく、部下を評価する、育てることが本分なので、人事評価や育成の時間がないというのは管理職としての考えがなっていません、という人事からのありがたいお言葉をいただくのがオチです。

これを読んでいる中間管理職の皆様、もし部下管理ができないのは能力不足ではないです。

管理職としての権限と責任がなく、じっくり考える時間もないし、部下が成長しなくても現場プレーヤーで自分でなんとかできてしまうし、どれだけ頑張っても仕組みの中であまり給料が変わらないので自分事としてとらえられないのが原因です。

人間は現金な生き物ですから、中間管理職で頑張っても、報酬にそこまで成果に違いが出ないという状況の中では、頑張れと言っても難しいです。

人間の脳は無駄なことを嫌うので、必要がない努力はしません。やってもやらなくても同じならやらないんです。

それに中間管理職は現場の仕事に忙しすぎて、中長期的なことを考える余裕がありません。

これはオーナーをやってみるとよくわかります。

現場から離れていてゆっくりと物事を考える時間があり、出勤の自由があり、人事権をもっているオーナーは、従業員の働きぶりをマネジメントすることはすべて店舗の売上につながり、その結果は自分の稼ぎになります。

つまり、自分事になりますから、マネジメントの頭が働き始めます。

自分で施術をしない場合、リラクゼーションサロンではセラピストの皆さんに働いてもらえないと店舗を経営できませんから、セラピストにどうやって働いてもらえるかのマネジメントを嫌でも四六時中考えるようになります。

そう、マネジメントの巧拙が店舗経営に直結する立場になればいやでも、管理職の本分、もう一度言いますが人を評価して、成長を促す仕組みづくりを考えるようになります。

売上があがればその分だけ報いるような給与体系のこともそうですし、どうやってセラピストの研修をすすめて、三か月後、半年後成長してもらうか、それを丁寧に伝えていくか。

ブログやSNSを定期的に更新することの意図をつたえてどうやってやってもらうか。

細かいことでは今度の懇親会はどこにしようか、今日の差し入れは何を持っていこうか、店舗の前の草むしりそろそろやろうかななど、現場にいなくても、店舗のことをずっと考えています。

やはり仕組みの違いで人の頑張りは変わってくるのです。オーナーとしては自分で頑張ることもそうですし、どのようにセラピストに頑張ってもらうかということは常に頭に入れておきながらこれからも経営をしてまいります。

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