オーナーのつぶやき

中華料理店はスモールビジネス経営の基本に忠実

先日平和島の中華料理店:ありろうさんにお邪魔したときの記事をかきました。

平和島の居酒屋:中華料理阿里郎(ありろう)

ヴィラ平和島の隣には、香味園さんもあります。

平和島の中華料理:香味園

中華料理店がつぶれない理由

中華料理屋さんって長くやっているお店がおおいですよね。

外装が古びれていて(失礼)流行っていないように見えても、長く続いているお店が多い印象です。

特に中国系の方が経営している中華料理のお店は、生き残るためのパッケージを忠実に守っています。スモールビジネスの優等生です。

中華料理というジャンルは、海外料理でありながら私たち日本人が慣れ親しんだ味。和食とまではいいませんが、ほとんどの人が好きなジャンルの料理です。

ですから、中華料理自体根強い人気がありリピートしてくれやすい料理形態ではありますが、その特徴を活かして勝ち残りの経営を続けている店舗がおおいのです。

勝ち残る商売の型をキッチリと守る

では中華料理屋さんの勝ちパターンとは何でしょうか。

一つには、売れ筋商品を提供することが挙げられます。そのほかイニシャルにコストをかけすぎない、フードレイバーコストを適切にコントロールする、広告宣伝費はかけずに集客する、接客もシンプルにする。

中華料理店はこうした生き残るための原則を守っている店ばかりです。

それぞれについて簡単に見ていきましょう。

勝ち筋商品を提供する

料理で独立される方は自分のこだわりの料理を持つという方も多いです。腕に覚えのある方ならば自分の味を世に問うてみたいもの。ですが、中華料理のお店はメニューに独自性はありません。売れる料理を確実に売っています。

売れる料理こそがおいしい料理。

餃子やチャーハンはもちろんのこと、エビチリ、チンジャオロース、酢豚などわかりやすいメニューをそろえています。

人は、なじみがあるメニューしか頼まないのです。

見た目の料理の品数は多いかもしれませんが、それは商品の数が少ないとお客様が寂しく感じることがあるのでメニューを増やしているのであって、あくまで稼ぐメニューはきまっています。

イニシャルコストを絞り込む

イニシャルコスト(初期投資)というのは、開店のときにかかる費用です。飲食店を始めるときにこのイニシャルコストにお金をかけすぎてしまうというのはよくある話です。

外装・内装・厨房器具・椅子・テーブル・レジ・エアコン・排気設備など、レストランの店舗経営に必要な初期投資をなるべく抑えます。

特に内装というのはどこまでもかけようと思うと費用が膨らんでしまうものです。中華料理のお店は居抜きを使って、コストを下げるなどの工夫があります。どんなに小さなお店でも、生きるための事業ですから最初にかけたお金はなるべく早く回収して利益にしなければなりません。

投資をしたほうがいいこともありますが、中華料理屋にもとめられているもの以上の出費はなるべく避けてスモールスタートをしています。

フードコストを管理している

エビや豚肉などのメイン食材となるメニューの価格の原価率は高めに設定する一方で、野菜やご飯ものなど原価率が低いメニューもうまく組み合わせながら、トータルでのフードコストは押さえてお客様の満足度をあげています。

中華料理屋さんでチャーハンを頼む人は多いかと思います。

冷めたらまずいですが、冷静に考えればご飯ですからね。

他の料理で少し高い料理を頼んでも、チャーハンを食べればまずお腹がいっぱいになります。チャーハンでなくても、どこかで安く腹いっぱいになるメニューがあり、相対的にコスパがよく感じます。

家族経営で人件費を調整

家族経営であることからレイバーコストを上手くコントロールできるという強みもあります。

家族経営だと外部に出ていくお金ではないので、家族間でうまく融通することができますし、苦しい時には給料を払わないという方法も取ることができますので、強みになります。

次第に経営が軌道に乗ってくれば、法人化し、会社の利益を分散して役員報酬という形でを支払うことで税金を合法的に下げています。

簡素なサービス

中国の人が経営している中華料理屋さんは総じてサービスが簡素です。水がセルフサービスだったり、なかなか店員さんを呼んでもこなかったり、まあ、簡素です。我々もそんなもんだろうという程度の期待感でお店に入っていますから、特段プンプンおこるお客さまはいません。

手間のかかった接客にこだわると顧客の満足度はあがりますが、その分接客に時間がかかるという事でもあり、お客様あたりの従業員数を増やさなければならないという事です。

高級店にいくと、何をするでもなく待機しているスタッフが複数います。人員に余力をもって接客することでお客様の満足度をあげているのですが、その分スタッフが多いのでお店の経営としては固定費が高い状態です。

中華料理屋さんはムダな人件費はなるべく省いて経営されていますので、売上が下がったとしても経営を続けやすいのです(そもそも安いのでお客様が全然入らないという事はありません)。

広告宣伝費をつかわない

看板メニューやチラシ、クーポンサイト掲載などで派手な広告宣伝集客することはなく、全般的なメニューの割安さで集客します。食事は毎日のことですから、安いにこしたことはないですし、

中華料理屋の勝ち筋はフランチャイズに通じる

中国の方が経営しているお店は家族経営でやっている方が多く、他店舗展開を基本とするフランチャイズというのはあまり聞きません。

が、今述べたような勝つための方法をシッカリと実践されているからこそ、長くお店が続いているのです。

派手さはなくても、商売で生き残るというのはどういうことかということを、事業を始めてから中華料理屋さんに行くたびに感じます。

いかに儲かるビジネスモデルを忠実に再現するかは、ヴィラの経営にも通じるものがあるなあと感じました。今日はおいしい中華料理を食べながら、そんなことを感じた夜でした。

 

 

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