最初からできる人はいない現実
今日は「物覚えがいい人なんていない」という話をしたいと思います。
最近、未経験の新人スタッフの教育に力を入れている中で、改めて強く感じていることです。
未経験の方というのは、文字通りすべてが初めてです。施術の手順も、接客の流れも、体の使い方も、会話の間の取り方も、全部が未知の領域です。そうなると、当然ながら一つ一つ覚えるのに時間がかかります。こちらとしては「昨日教えたよね」と思うことでも、本人にとっては初めて聞いたのと同じくらい難しいこともあります。
人が一度に記憶できる量というのは決まっていて、脳の構造上繰り返しやらないと定着しないのです。外から受け取る情報があまりにも多いので、ほとんどの情報は記憶するに値しないと評価して、無意識に情報を捨てています。そうしないと頭がパンクしてしまうからです。
自分の気持ちとしては覚えたいけれど、思うようには覚えられないものなのです。
その結果、「なんでこんなに覚えられないんだろう」と悩む人が出てきます。ですが、これは当たり前のことなんです。むしろ、すぐにできる方が例外です。
覚えられないのは当たり前
よく考えてみてください。泳いだことがない人に、いきなりプールでクロールをやれと言ってもできるはずがありません。
野球をやったことがない人に、いきなりキャッチボールを完璧にやれと言っても無理な話です。
それと同じで、リラクゼーションの施術も完全に「技術職」です。経験ゼロの人が、いきなりスムーズにできるわけがないんです。
ここで「自分は物覚えが悪い」と思ってしまうのは、少し違います。
正しくは、「まだ経験が足りないだけ」です。
実際、現場を見ていると、最初からスムーズにできる人はいません。できているように見える人も、裏ではかなりの時間をかけて練習しています。
成長する人の共通点は努力量
では、どこで差がつくのか。
これははっきりしています。「どれだけ自分で練習するか」です。
伸びる人は、とにかく自分で動きます。
・時間を見つけて練習する
・人の体を借りてでも繰り返す
・わからないことをそのままにしない
・自分なりに工夫して覚えようとする
こういった積み重ねをしています。
逆に、なかなか伸びない人は、「覚えられない理由」を探してしまいます。
時間がない、難しい、向いていない――もちろん気持ちは分かりますが、そこに留まってしまうと前に進めません。
結局のところ、「物覚えがいい人」がいるわけではなく、「覚えるまでやった人」がいるだけなんです。
新しい人から見ると、先輩の施術がすごいなと思うことがあるかもしれませんが、500時間、1000時間と練習を重ねているので上手になっているという単純な事実は重いです。
小さな成功体験を積み重ねる
大事なのは、一気にできるようになろうとしないことです。
最初は本当に小さな一歩でいいんです。
昨日できなかったことが、今日は少しできた。
一つの手技が、なんとなく形になってきた。
お客様に「気持ちよかった」と言ってもらえた。
こういった小さな成功体験が積み重なると、「やればできる」という感覚が生まれます。
この感覚が出てくると、人は一気に伸びていきます。
逆に、この成功体験がないままだと、「いくらやっても覚えられないし、無駄なんじゃないか」という気持ちになってしまいます。だからこそ、周りのサポートも重要になります。
支える側の役割と覚悟
新人がここまで来るためには、本人の努力だけでなく、周りの支えも欠かせません。
現場の先輩やオーナーの役割は、「できるようになるまで見守り、必要なところで支えること」です。
ただし、最終的にやるのは本人です。
お客様の前に立った瞬間、そこからは自分の力でやり切るしかありません。全部自分に跳ね返ってきてしまいます。
だからこそ、私たちの店舗では未経験の方が多い環境でも、「最終的には自分でできるようになる」という前提で育てています。
その分、先輩も本気で教えますし、求めるレベルも決して低くはありません。
物覚えが悪いと悩む必要はありません。
誰でも最初はそうです。
大事なのは、「できるまでやる」という姿勢と、「少しずつでも前に進む」ことです。
その積み重ねが、必ず力になります。
わからないことだらけで当然です。
その中で一歩ずつ進んでいければ、それで十分です。人によってペースが違ってもいいのですが、才能ではなく練習量がモノをいうというのは忘れないでほしい。
ぜひ、焦らずに、自分のペースで積み上げていってほしいです。
