サロンを運営していると、一番手っ取り早い売上アップの方法は「たくさんのセラピストに長時間働いてもらうこと」だと感じることがあります。
しかし、実際にはそれだけでサロン経営が安定するわけではありません。なぜなら、セラピストが長く働いてくれなければ、瞬間風速で売上をあげるよう頑張っても売上を維持できないからです。
人に稼いでもらう商売だからこその難しさ
リラクゼーションサロンは、商品や在庫を抱えるビジネスとは違います。
- セラピストが辞めてしまえば、その人が生み出していた売上は一瞬で失われてしまう
- 採用してすぐに売上が立つわけではなく、研修や教育期間を経て現場に出られるようになるまで、どうしても時間がかかる
つまり、人を採用して安定した戦力になってもらうには数カ月、場合によっては半年以上の時間と労力が必要になります。短期的に「売上を伸ばそう!」とセラピストを大量採用しても、定着せず辞めてしまえば、育成コストだけがかさんでしまうわけです。
安定的に働いてもらうための環境づくり
セラピストが長く働いてくれるかどうかは、職場環境にかかっていると考えます。
- 適度な忙しさ
仕事が楽すぎる環境は、セラピストの成長を妨げてしまい、やりがいを失う原因になります。一方で激務すぎると長続きしないため、ほどよい忙しさと休息のバランスを整えることが重要です。 - 常に仕事を見直す
セラピストにとって成長し続けられる環境をつくるため、施術メニューや研修制度、情報発信の役割など、常に新しい挑戦や学びを提供するようにします。 - 研修やスキルアップ制度の整備
新しい技術を学べる機会をつくったり、ブログやSNSでサロンの魅力を発信してもらったりすることで、セラピスト自身が“働きがい”を感じられるようにします。
こうして安定して働いてもらえる仕組みをつくってこそ、サロンの売上やお客様満足度も長期的に高められると確信します。
それでも合わない人は辞めてもらって構わない
経営者として、どうしても相性が良くないセラピストが現れることはあります。
- サロンの方針や経営者の考え方に納得していない
- 成長意欲が感じられず、周囲の足を引っ張ってしまう
そういった場合、無理に引き止めてもお互いが不幸になるだけだと考えます。もちろん人手が足りないと不安にはなりますが、サロンの文化や価値観に合わない人を無理に残すことは、長期的に見てマイナスにしかなりません。
「去りたいと思うのであれば止めない」という割り切りも、経営を安定させるうえで必要な姿勢です。
まとめ
- 人を増やせば売上アップは一見正しいが、セラピストが長く働かないと意味がない
- 採用→研修→戦力化には数カ月以上かかるため、短期的な視点だけで人を増やしても定着しなければ損失につながる
- 安定的に働いてもらえる職場環境を整え、成長機会を提供することが大事
- 考え方が合わない人には、辞めてもらっても構わないという割り切りも必要
短期的な売上よりも、セラピストが安心して成長し、長く働ける環境をつくることが、結果的にサロン経営の安定につながると確信します。そうすることでこそ、お客様にとっても満足度の高いサービスを提供し続けられるのです。