セラピストという仕事は、スタッフの出入りが激しい業界です。やりがいを感じ、長く働く人がいる一方で、さまざまな理由で業界を去る人も少なくありません。
特に女性が多い職場であるため、結婚・出産・育児といったライフステージの変化によって離職するケースもよくあります。
しかし、中には「お店が嫌でやめる」という人もいます。これは単に個人の問題ではなく、オーナーの責任でもあります。
セラピストは希望を持ってお店の扉を叩きます。
どんな環境なのかは分からなくても、オーナーの言葉を信じ、一緒に働くスタッフを見て「ここで頑張ろう」と決意し、貴重な時間をかけて入店してくれます。
最初はセラピストとして施術を覚えて成長したい、お店に貢献したいという前向きな気持ちでいるのです。
しかし、実際に働いてみると、「思っていた運営とは違う」と感じることがあります。労働条件が違う、研修がない、サービス残業が多い、完璧な職場は正直ありませんが、それが積み重なると不満が出てきます。
もちろん、経営の都合上、やむを得ず方針転換しなければならないこともあります。
それは仕方のないことですが、単なるオーナーの都合や管理不足で現場が混乱してしまうのであれば、それは大きな問題です。
繰り返しですが、最初は誰もが「頑張ろう」と思って入ってくるのです。
その気持ちを活かし、やりがいを持って働ける環境を作れるか、それとも「こんなお店では働けない」と去ってしまうか——すべてはオーナー次第です。
オーナーがスタッフ一人ひとりの想いを大切にし、適切なサポートを行えば、セラピストは安心して長く働くことができます。逆に、経営の不透明さや不誠実な対応が続けば、スタッフはすぐに離れてしまいます。
セラピストを「活かす」のか、それとも「殺してしまう」のか。オーナーの在り方が、お店の未来を大きく左右するのです。
残念ながら私自身できていないことが多いですが、一人一人に寄り添う姿勢を忘れてしまうとどんな繁盛店もすぐに崩れてしまうことを肝に銘じてこれからも着実に店舗を運営してまいります。