2026年の夏、私が運営しているヴィラ店舗の価格改定を行いました。
価格改定については、実は半年以上前からずっと考えていました。
ただ、なかなか踏み切れませんでした。
理由は単純で、怖かったからです。
「価格を上げたら、お客様が減ってしまうのではないか」
経営をしていれば、どうしてもそう考えてしまいます。
それでも最終的には、価格を改定することにしました。
何のために価格を上げるのか
もちろん、価格改定をする直接的な目的は売上を増やすことです。
ただ、そこで一度考えました。
「では、何のために売上を増やしたいのか?」
結局たどり着いたのは、お店を長く続けていくためです。
そして、お店を続けていくためには、働いてくれているスタッフの待遇を良くして、もっと多くの人に「ここで働きたい」と思ってもらえる環境を作らなければなりません。
スタッフの給料を上げたい。
インセンティブも充実させたい。
休日も増やしたい。
無理なく働ける環境も作りたい。
その原資は、当然ですがお店の売上から生まれます。
だからこそ、価格についても見直す必要がありました。
「ちょっと頑張れば届く」が大切
インセンティブについても同じです。
例えば売上目標を設定してインセンティブを用意しても、その数字があまりにも遠ければ、
「どうせ頑張っても届かない」
となってしまいます。
反対に、
「あと少し頑張れば届きそう」
「あと一人担当すれば達成できる」
というところに目標があれば、人は頑張れるのではないかと思っています。
そして一度達成すれば、それが成功体験になります。
「自分にもできた」
という経験が、次の月のモチベーションになる。
そうなれば、一回一回の施術に対する意識も少しずつ変わっていくのではないでしょうか。
価格を適正化することは、単に会社の売上を増やすだけではありません。
スタッフが頑張ったときに、きちんと報われる仕組みを作ることにもつながる。
私はそう考えています。
価格が変われば、お客様も変わる
もちろん、価格を上げれば来なくなるお客様もいらっしゃると思います。
「安いから利用していた」という方にとっては、価格改定は大きな変化です。
これは避けられません。
ただ、その一方で、今まで十分に応えられていなかったニーズもあります。
それが、
「今日行きたい」
というお客様です。
仕事が終わってから、
「今日は疲れたな」
「肩がつらいからマッサージに行きたいな」
と思うことはあると思います。
でも、予約が常にいっぱいなら、そのお客様は利用できません。
安い価格で予約表を100%埋めることだけが、本当に良い店なのでしょうか。
最近は、そうではないと思うようになりました。
多少空きがあって、当日でも予約できる。
少し価格は高くても、
「行きたいと思ったときに行ける」
ということ自体に価値を感じてくださるお客様もいるはずです。
価格改定は「誰に来てもらいたいか」を考えること
価格改定を経験して感じたのは、価格を変えるということは、単に料金表を書き換えることではないということです。
価格を変えれば、お客様の層も変わります。
そして、
「これから、どんなお客様に来てもらいたいのか」
「どんなスタッフに働いてもらいたいのか」
「どんなお店として続けていきたいのか」
ということまで考える必要があります。
以前は、とにかく予約が埋まっていることが良いことだと思っていました。
もちろん、たくさんのお客様に来ていただけることはありがたいことです。
ただ、それだけでは長く続けられないこともあります。
スタッフが無理なく働ける。
頑張れば待遇が上がる。
新しいスタッフも採用できる。
そして、お客様が行きたいときに予約できる。
そんな状態を作るための価格でなければならないと思っています。
今回の価格改定は、「値上げをしたかった」というよりも、
「これからも店を続けていくために、必要な価格に変えた」
というのが、一番近い表現なのかもしれません。
価格を決めるということは、結局のところ、
これからどんな店を作っていくのかを決めること。
今回の価格改定を通じて、改めてそう感じています。
