事業を何年か続けていると、だんだん分かってくることがあります。
それは、
「何をやればいいのか分からない」
ということは、実はそんなに多くないということです。
もちろん、新しいことに挑戦するときは分からないことだらけです。
でも、その事業を何年もやっていれば、その業態で最低限やらなければいけないことは、だいたい分かってきます。
まずは、その基本をしっかりやる。
そして、その上に何を積み上げていくのか。
広告なのか。
採用なのか。
教育なのか。
サービスの改善なのか。
新しい取り組みなのか。
ここも、ある程度は分かってきます。
やるべきことは分かっている。それでもできない
では、なぜうまくいかないのか。
最近、私はここをよく考えます。
「やるべきことは分かっているのに、なぜ予定通りできないんだろう」
ということです。
考えてみると、緊急でやらなければならないことは、ちゃんとやるんですよね。
今日中に対応しなければいけない。
お客様から連絡が来た。
スタッフから連絡が来た。
何かトラブルが起きた。
こういうことはやります。
やらないと困るからです。
問題は、その逆です。
「緊急ではないけれど、重要なこと」
これが本当に難しい。
人間は「緊急なこと」に引っ張られる
よく仕事を4つに分類する考え方があります。
「重要で、緊急なこと」
「重要だけど、緊急ではないこと」
「重要ではないけれど、緊急なこと」
「重要でもなく、緊急でもないこと」
放っておくと、人間はどうしても「緊急なこと」に引っ張られます。
特に厄介なのが、
「それほど重要ではないけれど、緊急なこと」
です。
目の前に出てくるので、ついやってしまう。
そして一日が終わる。
今日も忙しかった。
いろいろ仕事をした。
でも振り返ってみると、
本当に重要なことは、何も進んでいない。
こういうことが起こります。
採用も、一つひとつの仕事は難しくない
例えば、私の事業でいえば採用です。
採用が大事なのは分かっています。
では採用のために何をするのか。
求人原稿を考える。
写真を撮る。
求人ページを改善する。
スカウトを送る。
応募者に対応する。
数字を確認する。
反応が悪ければ、また改善する。
一つひとつ分解してみれば、別にものすごく難しいことではありません。
でも、これを全部やり続ける。
ここが難しい。
写真を今日撮らなかったからといって、明日会社が潰れるわけではありません。
スカウトを今日送らなかったからといって、明日の営業ができなくなるわけでもありません。
求人原稿の改善を一日先延ばしにしても、何も起こりません。
だから、やらなくなる。
今日やらなくても大丈夫。
明日でもいい。
今度時間ができたときにやろう。
そうやって一日延び、三日延び、一週間延びていく。
そして数ヶ月後、
「人が採用できない」
となるわけです。
でも、その結果は突然起きたわけではありません。
今日やらなくても困らないことを、毎日少しずつ先延ばしにした結果なのかもしれません。
経営は「心の弱さ」との戦い
だから最近、私は思うんです。
経営というのは、心の弱さとの戦いなんじゃないか。
別に、ものすごく難しいことを毎日やらなければいけないわけではありません。
むしろ逆です。
やるべきことを細かく分解してみれば、一つひとつは大したことではない。
問題は、
それを全部、やり切れるか。
そして、
それを毎日、続けられるか。
ということなんだと思います。
「時間ができたらやる」では、たぶんやらない
だから「時間ができたらやろう」ではダメなんですよね。
時間ができたときに何をするのかまで、あらかじめ決めておく。
「暇になったら採用をやる」ではなく、
暇になったら求人原稿を直す。
写真を撮る。
スカウトを送る。
数字を確認する。
そこまで決めておく。
そして、「重要でもなく、緊急でもないこと」は、なるべくやらない。
時間というのは、放っておけば勝手に何かに使われてしまいます。
だからこそ、
緊急ではないけれど重要なことに、自分から時間を使いにいく。
これが大事なんだと思います。
「分かっていることを、本当にやるのか」
事業を始めたばかりの頃は、何をすればいいのか分からないこととの戦いでした。
でも何年か経つと、戦う相手が変わってくる。
やるべきことは、もう分かっている。
だから今度は、
「分かっていることを、本当にやるのか」
という自分自身との戦いになる。
派手なことを一発やるよりも、今日やらなくても困らない重要なことを、今日ちゃんとやる。
そして明日もやる。
それを淡々と積み重ねる。
結局、事業というのは、こういう地味なことの積み重ねなのかもしれません。
そして、その地味なことをやり続けるために一番必要なのは、知識でも才能でもなく、
自分の心の弱さに負けない仕組みをつくること。
最近は、そんなことを考えています。
