オーナーのつぶやき

「損して得取れ。オーナーが利益を取るのは最後でいい

「損して得取れ」という言葉があります。

最初は少し損をしてでも、後から大きな利益を得る。

商売をしていると、この考え方はものすごく大事なんじゃないかなと思います。

ただ、「最初は赤字でも我慢しよう」とか、「とにかく安く売ろう」という単純な話ではありません。

私が考える「損して得取れ」は、利益を誰に、どの順番で配るのかという話です。

お客様、セラピスト、オーナーで利益を分けている

リラクゼーションサロンには、大きく3人の登場人物がいます。

お客様、セラピスト、そしてオーナーです。

ものすごく単純化すると、この3者で店が生み出した価値を分け合っています。

お客様からすれば、できるだけ安い価格で良いサービスを受けられた方が嬉しい。

セラピストからすれば、できるだけ良い給与や待遇で働けた方が嬉しい。

オーナーからすれば、当然、会社に利益が残った方がいい。

短期的に考えれば、この3者の利益は相反します。

価格を上げれば店には利益が残りやすくなりますが、お客様の負担は増えます。

給与を上げればセラピストは嬉しいですが、その分だけ会社の利益は減ります。

では、どうするのか。

私は、最初はオーナーの取り分を少なくしてもいいと思っています。

最初は利益を譲る

例えば、店が生み出した価値を10とします。

本来なら、

「お客様3、セラピスト4、オーナー3」

くらいで分けたいところを、最初は、

「お客様4、セラピスト5、オーナー1」

くらいにしてしまう。

もちろん、これは実際の利益配分を表した数字ではなく、あくまで考え方です。

お客様には、価格以上の価値を感じてもらう。

「この料金で、ここまでやってくれるんだ」

と思ってもらう。

一方でセラピストにも、会社が取れる利益を全部取ってから残った分を渡すのではなく、少し良い給与や待遇を用意する。

つまり、オーナーが取れる利益の一部を、お客様とセラピストに先に渡してしまうわけです。

これが、私の考える「損して得取れ」の最初の段階です。

先にセラピスト、次にお客様、最後にオーナー

この順番も大事だと思っています。

まず、セラピストに投資する。

良い人に来てもらい、長く働いてもらい、技術や接客の水準を高めていく。

そうすると、お客様に提供できる価値が上がります。

その価値を、最初は割安感のある価格で提供する。

すると、

「ここは安いだけじゃなくて、ちゃんとしている」

という評価が少しずつ積み上がっていきます。

お客様が増える。

予約が増える。

良いセラピストが増える。

さらにサービスの質が上がる。

そうやって店そのものが強くなっていく。

セラピスト → お客様 → オーナー。

オーナーが利益を取るのは最後でもいい。

私はそんなふうに考えています。

ただし、「安くて良い店」で終わってはいけない

ここには一つ、大きな問題があります。

お客様に利益を渡し、セラピストにも利益を渡し続ければ、当然ながら会社には利益が残りません。

それでは持続可能ではありません。

どれだけお客様に喜んでもらえても、どれだけセラピストの待遇が良くても、会社そのものが続かなければ意味がありません。

設備にも投資できない。

採用にもお金を使えない。

教育もできない。

給与を上げ続けることもできない。

最終的には、お客様にもセラピストにも迷惑をかけることになります。

だから、「安くて良い店を作ること」がゴールではないんです。

十分な価値ができてから価格を変える

技術のあるセラピストが増えてきた。

サービスの水準も上がった。

お客様も増えてきた。

予約が埋まるようになってきた。

ここまで来たら、次の段階に進みます。

価格を適正な水準に変えていく。

ここで初めて、オーナーも少しずつ利益をいただく。

大事なのは、この順番です。

まだ十分な技術がない。

お客様もそれほど多くない。

予約も埋まっていない。

それなのに、先に利益を確保しようとして価格だけを上げる。

これでは、なかなかうまくいかないと思います。

まず価値を作る。

その価値をお客様に知ってもらう。

お客様が増える。

店が強くなる。

それから利益を取る。

順番を間違えないことです。

大きくなったパイから少し分けてもらう

私は「後から利益を取り返す」という表現も、少し違うと思っています。

最初に損した分を後から回収する、という話ではないんですよね。

最初にお客様やセラピストへ利益を渡したことで、店そのものが成長する。

10だったパイが、20、30と大きくなっていく。

そうしたら、その大きくなったパイから、オーナーも適正な分をいただく。

この感覚です。

お客様から無理に取るわけでもない。

セラピストの給与を削るわけでもない。

店そのものが生み出せる価値を大きくして、その増えた部分を3者で改めて分ける。

そうすれば、お客様にも、セラピストにも、会社にも利益がある状態を作ることができます。

「損して得取れ」は時間軸の話

結局、「損して得取れ」というのは、単に損を我慢する話ではないと思います。

利益を取るタイミングを後ろにずらす。

最初は、お客様とセラピストに利益を譲る。

そこで店の価値を作る。

価値ができたらお客様が増える。

お客様が増えて店が強くなったところで、初めて会社も適正な利益をいただく。

具体的に、どこまで利益を譲るのか。

いつ価格を変えるのか。

給与をどう設計するのか。

これは店によって全く違います。

立地も違えば、スタッフも違う。お客様も違う。競合も違う。

だから、そこから先に万人共通の答えはないと思います。

経営者がそれぞれ考えるしかありません。

ただ、一つ言えるとすれば、

「自分の利益を最初に取りにいかない」

ということです。

誰に先に利益を渡すのか。

いつ自分たちの利益を取るのか。

その順番を考える。

「損して得取れ」とは、経営に置き換えると、そんな話なのかもしれません。

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