新しいことをやるのは、怖い
経営をしていると、この「怖い」という感覚がしょっちゅう出てきます。
新しい求人媒体にお金を使う。
新しい集客方法を試す。
料金を変える。
給与制度を変える。
営業時間を変える。
今まで使っていた仕組みをやめる。
新しいシステムを導入する。
やる前には、だいたい怖い。
なぜなら、結果が分からないからです。
まず、お金を捨てなければならない
特に経営では、これが嫌なんですよね。
結果が分かってから、お金を払うことができません。
求人広告だってそうです。
「この広告で絶対に採用できます」
と分かってからお金を払えるなら、誰だってやります。
でも実際には逆です。
まずお金を払う。
極端に言えば、一回お金を捨てる。
燃やすくらいの気持ちで入れてみる。
そして、その後に結果を見る。
うまくいくかもしれないし、ダメかもしれない。
これが怖い。
でも、経営って基本的にこの繰り返しなんですよね。
「危険だから怖い」とは限らない
最近思うのは、この怖さには二種類あるということです。
本当に危険だから怖いものと、単にやったことがないから怖いもの。
人間は慣れているものを安全だと感じます。
逆に、知らないものにはブレーキがかかる。
だから面白いもので、今までやっていた方法の方が非効率だったとしても、それをやめるのが怖かったりします。
実際に変えてみると、
「あれ? こっちの方が全然楽じゃん」
となることもある。
それでも、変える前は怖いんです。
合理的に考えて怖いというより、本能が「今までと違うぞ」と言っている。
経営は本能と逆方向に進むことがある
人間の本能からすれば、
お金は減らしたくない。
失敗したくない。
今までうまくいっていた方法を変えたくない。
全部、自然な感覚です。
でも経営では、ときどきその逆をやらなければいけません。
お金を先に使う。
結果が分からないことをやる。
うまくいっているものまで変える。
場合によっては、売上が上がってから給与を上げるのではなく、先に給与を上げることだってあります。
これも怖いです。
売上が増える保証なんてありませんから。
でも先に待遇を良くした結果、
「ここまでやれば、これだけ給与が上がる」
とスタッフに見えるようになり、行動が変わるかもしれない。
その結果として、後から売上がついてくることもある。
つまり、
結果が出たから投資するのではなく、結果を変えるために先に投資する。
経営では、この順番になることがあります。
世の中には、すでに大量の失敗例がある
もちろん、何でも無謀にやればいいわけではありません。
ここは重要です。
幸いなことに、今は世の中に大量の事例があります。
求人も、集客も、店舗設計も、価格設定も、人事制度も、システムもそうです。
誰かがすでにやっています。
誰かが成功して、誰かが失敗している。
しかも今は生成AIまである。
調べる。
考える。
小さく実装する。
結果を見る。
また変える。
このサイクルをものすごく速く回せるようになりました。
だから、「怖いからやらない」ではなく、怖いなら、失敗しても死なないサイズまで小さくしてやる。
これが大事なんだと思います。
コンフォートゾーンの外側へ
経営をしていると、自分のコンフォートゾーンがどんどん広がっていきます。
最初は怖かったことが、半年後には普通になっている。
そして、また次の怖いことが出てくる。
たぶん、この繰り返しです。
怖くなくなってからやるのではありません。
怖いままやる。
ただし、無謀にはやらない。
調べる。
数字を見る。
最悪の場合を考える。
失敗できる大きさにする。
そこまでやったら、最後は実行する。
経営者に必要なのは、恐怖心をなくすことではないのだと思います。
むしろ恐怖心はあっていい。
問題は、
「これは本当に危険なのか。それとも、単に自分がやったことがないから怖いだけなのか」
そこを見分けることです。
そして後者なら、本能に逆らって一歩踏み出す。
前回、「オーナーの仕事筋」という話を書きました。
これも、仕事筋の一つなのかもしれません。
怖いものを、怖いまま実装する筋肉。
この筋肉も、使い続けないと衰えます。
だからまた怖いことを見つけたら、調べて、考えて、小さく試す。
そうやって自分自身の「経営のOS」を少しずつアップデートしていく。
本能に逆らう。
それもまた、オーナーの仕事なんだと思います。
