最近、自動化をかなり進めています。
その中で感じているのが、生成AIの登場によって、仕事のやり方がもう一度大きく変わり始めているということです。
これまでは、仕事には大きく二つの段階があったように思います。
第一段階は、自分でやる。
そして事業が大きくなってくると、第二段階として専門家に依頼する。
税金なら税理士、労務なら社労士、システム開発ならエンジニアというように、それぞれの専門家に仕事をお願いするようになります。
当然、その方が効率的です。
ところが生成AIが発展してきたことで、ここにもう一つの選択肢が出てきました。
「今まで外注していた仕事を、AIを使ってもう一度内製化する」
という選択肢です。
AI時代に重要なのは「業務を知っていて、言語化できること」
もちろん、AIがあれば何でもできるわけではありません。
大前提として、自分自身がその業務を理解している必要があります。
業務を知らなければ、何を作ればいいのかも、出来上がったものが正しいのかも判断できません。
そのうえで、これから非常に重要になる能力が、
「自分の考えていることを言語化する能力」
だと思っています。
AIと壁打ちしながら、
「こういう業務をしている」
「ここに時間がかかっている」
「こういう仕組みにしたい」
「ここでエラーが起きる可能性がある」
「だったらこういう処理にできないか」
と対話を続けていく。
この能力があると、これまでかなりの費用をかけて外注していた仕事を、自分で作れるようになってきます。
数十万円かかっていたシステムが、自分で作れる
実際、私も社内で使うシステムをいくつか作りました。
業務そのものを効率化するシステムもあれば、スタッフが自分の日々の売上を確認できるような仕組みもあります。
以前なら、こうしたシステムを外部に依頼すると、数十万円かかっていたかもしれません。
しかも、こちらの要望を伝えて、打ち合わせをして、仕様を決めて、出来上がったものを確認して、修正をお願いする。
それなりの時間も必要でした。
今は生成AIと対話しながら作っていけば、ちょっとした機能なら1〜2時間程度で形にできることもあります。
これはものすごい変化だと思います。
ただし、50時間かけて2時間の仕事をなくしている
とはいえ、一つ大きな問題があります。
システムを作るために、結局40時間、50時間とかけていることもあります。
「それ、本当に効率化なのか?」
と言われると、よく分かりません(笑)。
でも、私はこの一見矛盾した取り組みを、これからも続けていきたいと思っています。
なぜなら、手作業には終わりがないからです。
毎月2時間かかる仕事なら、来月も2時間、再来月も2時間かかります。
1年間なら24時間。
3年間なら72時間です。
一方、システムを作るために最初に時間を使えば、その後の作業時間は大幅に減ります。
つまり、
「仕事をする」のではなく、「仕事をしなくて済む仕組みを作る」
ことに時間を使っているわけです。
一つ作ると、次のアイデアが出てくる
そして面白いのが、一つシステムを作ると、次のアイデアが出てくることです。
「ここも自動化できるんじゃないか」
「このデータとこのデータをつなげれば、もっと楽になるんじゃないか」
「この処理を先にやれば、後工程そのものをなくせるんじゃないか」
こういうことが、だんだん見えるようになってきます。
最初はAIへの指示の出し方も分かりません。
ところが何度も作っていると、
「こういう順番で説明すればいい」
「先に条件を整理した方がいい」
「エラー処理まで最初から考えておこう」
といったことが分かってきます。
すると、次のシステムを作るスピードがさらに速くなります。
つまり、自動化には単純な時間削減だけではなく、自動化する能力そのものが蓄積していくという効果があります。
AI時代は「一人で何個の仕事ができるか」が変わる
これは、かなり大きな変化だと思っています。
実務を理解している。
問題を発見できる。
それを言語化できる。
AIと対話できる。
そしてシステムに落とし込める。
この一連の能力を持っている人は、一人で何十個もの仕事を動かせるようになるかもしれません。
逆に、これができないと、仕事の進み方がまったく違ってくる。
少し怖い言い方になりますが、AIによって仕事の能力差は縮まるどころか、むしろ残酷なほど広がる可能性があると思っています。
特に自分で事業をしている人には、この差がそのまま経営に反映されます。
一人の人間が持っている時間は、誰でも1日24時間です。
でもAIと自動化によって、自分の仕事を次々とシステムに移していけば、実質的に使える時間は増やしていけます。
自分が働くのではなく、自分が作った仕組みに働いてもらう。
そして空いた時間で、また次の仕組みを作る。
この繰り返しによって、少人数でもできることがどんどん増えていく。
大変な時代だと思います。
でも、自分で仕事をしている人にとっては、とんでもなく大きなレバレッジをかけられる時代でもあります。
そして私は今、その可能性を実際の仕事の中でかなり感じています。
この話にはまだ続きがあります。
では、人間に残る仕事は何なのか。
それについては、また次回書きたいと思います。
