リラクゼーションサロンを経営していると、「ああ、今日も無事に終わった」という安堵感を日々感じる瞬間があります。売り上げが無事今月も達成できた。払うもの払って少し手元にお金が残る。一カ月で少しだけほっとする瞬間です。
一見すると何も変わらず、当店は安定しているように見えるかもしれません。しかし、実はその“安定”とは、まるで流れる川の一部分のように、絶えず移り変わり続けているのだと思います。
サロンの“安定”は諸行無常
一見、サロンの風景はいつも同じように見えるかもしれません。
- 毎日やってくるお客様
- 接客・施術をしてくれるセラピスト
- 目に見えないけれど常に流動しているお金や空気、備品の消費や補充
実際には、一人ひとりのお客様の状態はその都度違うし、セラピストの経験値やチームワークも日々変わっていきます。備品だって使っては買い足し、汚れたら洗い直しを繰り返し、新陳代謝を続けています。
こうした姿は、見た目は同じ場所を流れているようでいて、実際は絶えず水が入れ替わっている“流れる川”そのもの。仏教で言う「諸行無常(すべては移ろい続けている)」がサロン経営にも当てはまるんです。
安定とは、前向きに変化し続けること
「安定しているサロン」と聞くと、「何も変わらずずっと続いている」というイメージがあるかもしれませんが、本当の安定とは変化を受け入れ、前向きに対応できる状態だと思います。
- お客様のニーズの変化
季節やトレンドで施術の要求が変わるので、メニューを変えたり、新しいケアを導入したりする。 - スタッフの成長
セラピストは日々の研修や経験でスキルアップし、施術の幅が広がる。 - 経営環境の変化
法律や社会情勢が変わることもあるため、税金や雇用制度などの見直しが必要になる場合もある。
これらの変化に柔軟に対応しつつ、同じように“サロンとしての軸”は失わない。その絶妙なバランスが安定の本質だと考えます。
変わらないようでいて、すべてが変わっている
川の一部分を見ると、「あ、いつもと同じ景色」と思うかもしれません。でも実際には、水は絶え間なく新しい流れに置き換わり、周りの景観も少しずつ変化を続けています。
サロンも同じで、「今日は変化がなかった」と感じても、実はスタッフの誰かが施術メニューを少し工夫していたり、お客様が新しいリラクゼーションの予約を入れていたり、知らないところで変化が起こっているんです。
まとめ:流動するからこそ、サロンは生き生きする
- サロンの安定は、川が流れ続けているのと同じように、“変化”が途切れないことで保たれる
- お客様やセラピストはもちろん、備品やお金の流れも常に入れ替わっている
- “諸行無常”だからこそ、新鮮さを保ち、前向きに変化を続けることが真の安定へとつながる
これからも、日常の“安定”を大切にしながら、見えないところで起こる変化に目を向け、サロン全体をより良くしていきたいと思います。
サロンに流れる“川の一部分”をじっと見つめて、実は常に動いていることに気づく瞬間――その気づきこそ、私たちオーナーの醍醐味ではないでしょうか。