今日のブログのタイトルは極端な表現かもしれませんね。
スタッフ同士、上司と部下なら緊張感がありつつも、仲が良くていいんです。みんな給料をもらっていて従業員という形で働いている。いろいろな個性の人がいて、みんなで仕事をしていきます。
オーナーとスタッフは利害が対立している
でも、オーナーは従業員とは利益が対立しているので、どうしても同じ立場にはなれないのです。お金を払う立場と、お金をもらう立場ですからね。
そういう現実がある中でスタッフに対してはなにができるかというと、やはりルールに沿った働き方を提供して、お給料を支払う。これにつきるかなと。
究極オーナーの仕事ってお客様に来ていただいて、喜んでもらい、そしてスタッフにお給料を支払うことです。
もちろん社会保険に加入したり、有給休暇をとってもらう、サービス残業をさせないとかそういうことも大切です。
できるだけセラピストに対して寄り添った対応は必要ですが、それは実はマストではありません。3年以上経営してきて感じるのは、地味で見えにくい実務をしっかりとこなしていくことです。
実務を完ぺきにこなせばいい
極端に言えば、実務を完全無欠にこなしていれば、あまりオーナーの人柄の良さというのは求められていないのです。
オーナーが、約束したことを平等に守ってくれる、これにつきます。
どちらのほうがいいオーナー?
給料をしっかり払ってくれて、有給もとれて、研修も定期的にあって、マニュアルも整備されている店舗のオーナー。でも、そっけない、お店にも来ない。厳しい。
給料がすくなくて、有休はとれる雰囲気ではなくて、研修は自分でやってください、マニュアルも用意されていない店舗のオーナー。毎日店舗に顔を出してくれで、飲み会をひらいたりして、こまめに声をかけてくれて、やさしい。
どちらが従業員にとっていいオーナーでしょうか。
いろいろ考えはあるかと思いますが、私は前者のほうがいいオーナーだと思うのです。
もちろん両方できたほうがいいに決まっています。でも、従業員としての権利をしっかり守ってくれることが何より大切でしょう。
実務をしっかりしていないと結局スタッフに迷惑がかかる
どんなにやさしくても、オーナーがきちんと仕事をしていなければ、結局スタッフは不満を抱えて辞めていってしまいます。
やめてしまうと結局はスタッフ不足になり、いずれはお店が続けられなくなっていってしまい、最終的にスタッフに迷惑がかかるのです。
だから、細かい実務をすべてやりきる、または専門家に任せることが大切です。
そのうえで初めてオーナーの個性が活きてくる。私もできていないことばかりですが、実務を正確にやりきることのほうが優先順位が高いなと痛感しています。
実務に詳しいのはかなり使えるスキル
店舗の外でできる実務にとことん強くなれば、オーナーとしてかなり戦闘力高いです。外注するにしても理屈をすべてわかっていて外注するのと、よくわからないからお任せするのでは全く違います。
外部の専門家は広い知識をもっていますが、局地的な部分、サロンワークに関することでいえば正確に勉強すればオーナーには勝てません。
コミュニケーション能力は実は不要?
コミュニケーション能力も高いに越したことはないですが、コミュニケーション能力は複数店舗を経営していくにつれ拡張性がないスキルになります。
店長やマネージャー経由で指示をだすことになります。店長やマネージャーは自分の権限の範囲内、ルールに定められている通りに仕事をします。オーナーのように絶対的権限がなのですから、ルールに係れていること以外をしても責任が取れません。となれば、結局は決められたことしかできないです。
かといってオーナーが直接、密にコミュニケーションをとれるのは10人から15人くらいが限界でしょう。専業オーナーでなければさらに時間が少なくなります。一日は24時間しかないので仕方ありません。
複数店舗展開すれば、十分なコミュニケーションはとれなくなる
お店が発展していけばいくほど、距離感ができてすべてのスタッフと十分コミュニケーションをとることは物理的に不可能になります。
となると、わかりやすく動けるようにルールを作ること、マニュアルを作ることのほうが実は優先順位が高いのです。
実際、私のような零細店舗ではなくて10店舗、20店舗と増えていくとオーナーが直接お店の細かいことまで指示することはできなくなります。
いい悪いではなくて、店舗を増やしていくとどうしてもそうなってしまうのです。これがいやなら、1店舗か2店舗にとどめておけば、オーナーが自分でコントロールできます。オーナーのパワーで店舗をまとめ切るのも一つの立派なやり方です。
嫌われても構わない
オーナーとしては、スタッフから別に悪口を言われようがどうでもいいです。残念ですけれども、スタッフが希望するすべての条件を満たすことはできません。
特別扱いしたりもしません。
特定のスタッフと仲良くすることで、えこひいきしていると思われるくらいならみんなに平等にドライに接します。サロンオーナーとしての私はそういう役回りなので、なるべく公正無私にしようと心がけています。
すべてはお店をしっかり守り、スタッフに気持ちよく働いてもらうためです。気持ちよく働いてもらうには、嫌われてもいいのです。
オーナーとしてはルールを守って働いてもらい、スタッフに給料を支払っていくことが大切だということは全くぶれません。
もちろん、スタッフからあえて嫌われたくはないです。
嫌われろ、ではなくて、無理に好かれようと思わず自分がやるべき仕事をやるということです。
気持ちよく仕事をしていただきたいので、私が店舗にいくときには不機嫌な顔でスタッフに接することはありませんが、それよりもスタッフのためにやるべきことが沢山あるという感じです。
手離れよく経営するのはスキルが必要
一店舗であればお店に顔を出すことによってオーナーの力でカバーするとかできるかもしれませんが、あまり顔を出さずに経営するということになればなるほど仕組みづくりとルール化が大切になってくるのです。
店舗に常駐しないで仕組み化するというのはなかなか習得するのが大変なスキルです。仕組み化、マニュアル化、教育をすすめつつ、目は離さない。時間がかかるプロセスです。
これは決意の問題で、現場に出ないと決めてそのように仕組みを動かすようにするのです。
これをつづけることで複数店舗が見えてきます。私が経営している店舗は両店舗とも現場に行かなくても実務が回るようになっていますが、マネージャーに仕事を割り振るところまではいっていません。3店舗くらいないと、その専属のスタッフを雇うだけの経営的余裕がないのです。
余談ですが、多分3店舗くらいが一番きついです。統括する役割のスタッフを1人置くと30万くらいかかりますから、店舗を増やしたのに利益が出ないということになります。1店舗50万の利益として、3店舗でうまくいったとして150万の毎月の利益。そこから30万を引くので、120万になります。
もちろんオーナーが自分でお店を見ればその費用は掛からないですが、かなり忙しくなって他のことがなかなかできなくなるかもしれません。
そのまま4~5店舗になれば利益が大きくなりますし、さらに自分がかかわる時間ももっと少なくなります。
今の私のスキルでは2店舗が限界ですので、管理スキルそのものをマニュアルしてアウトソーシングできないとこれ以上の発展はありません。
オーナーがいなくても店舗全体の仕組みをつくったり、改善していくことを究めるにはまだまだ時間がかかりそうです。
